歴史群像 特別付録
 学研が歴史(戦史)の専門誌として発行してきたこの雑誌、売れてんのかどうか不思議に思いつつ、購入を続けてはや10年(以上)。
 ついに「歴群」初の「ウオーゲーム付録」。
 デザイナーは本誌や学研M文庫で執筆している山崎雅弘。
 MIDWAY(2人用)と日本海海戦(1人用)の2イン1という豪華さ。
 MAPの裏表にそれぞれのゲーム板が印刷されているが、シンプルさを追求したためヘクスマップなどはナシ。

(1)日本海海戦
 戦場の波の高さをまず判定し(1度決定したら変化なし。波が高いとロシア軍の砲撃の精度が落ちる)、次に日本艦隊が大回頭を行う距離を選択する。
 大回頭中は一方的に殴られるだけだが、回頭を終えたあとは日本軍が距離決定や射撃のイニシアチブがあり、好きなように戦える。
 敵撃破によるVPと、VPによる戦争の対局が決まったあとに自軍の損害によるCP集計があり、総合的な勝敗がゲーム終了後に判定される。
 1回やってみて思ったんだが、最低6隻沈没(1沈没2VP、1大破1VP)の戦果がないと戦争に勝てない。
 近距離でドンパチやると敵も沈むが味方も沈む。
 むかしバンダイのIFシリーズで発売された「日本海海戦」よりはずっとシビア。
 でも簡単だし結構楽しいぞ。
 (宇垣中将のように「まて!只今の判定は3分の1発の命中とする!」とか言いたくなる)

(2)ミッドウエー海戦
 MAPおよび戦闘機隊は省略されており、ユニットは爆撃隊(雷撃隊)と艦船のダメージマーカー、索敵チットのみ。
 いっけん「日本機動部隊」のシステムを一部拝借したような作りだが、要点はきっちりおさえてあるせいかゲームとして楽しめそうである。
 まず日本軍はミッドウエー基地を「中破」以上の状態にしなければ「敗北」してしまうので、序盤は索敵しなくても攻撃できるミッドウエー島の攻撃に集中せざるを得ない。
※索敵チットで日本軍は不利を被っており(これは基地攻撃と機動部隊搜索の二重任務のため索敵が効果的に行えない状況を表す)ミッドウエー基地を制圧したあとに追加のチットが混ぜられてようやく(確率的に)五分になる。
 しかし索敵の先制権はアメリカ軍が握っており(日本機動部隊の搜索と撃滅に専念できる)基地攻撃は最低限かつ最大限の効果にしたいというところに日本軍のジレンマがある。
 このゲームでは戦闘機隊の運用が省略されているのでCAP(=艦隊直衛)が必要ない分、無敵ゼロ戦隊が表現されておらず、日本軍の防御が弱いような気がする。
 索敵+航空機運用に特化したゲームだが、面白さは十分出ているのではないだろうか。
(ほかのミッドウエイのゲームでも、あとから登場する上陸部隊や戦艦で構成されている主力部隊って使わないもんなあ)

◎ウオーゲーム日本史最新号「ゆけ!信長家臣団!!」
 内容を見るに、むかしGJで付録ゲームとしてついた「LetsGO 本能寺」に雰囲気が近い。
 「本能寺」は家臣団が信長を殺すことを前提に勢力争いを行うゲームだが、このゲームは家臣団が信長の無理難題に振り回されて苦労するというもの。
 難易度も低めでMAPもセット内容を見る限り「ない」ので(カードアクション中心)かなりシンプル。
 志士の時代の回答もまだこない状況だが、買ってみようかなあ・・・
 (やっぱりドイツゲーよりこういうゲームのほうが好き)