第1318話 装飾古墳と宇宙刑事シャリバンの考察

*[その他]

#1318 装飾古墳と宇宙刑事シャリバンの考察

■ 1 ■ その他

水木一郎が逝去し、コンサート動画などを見ていると、メタルヒーローシリーズの主題歌が気になり、スピルバンの動画を最近まで視聴していた。
スピルバンの主人公を演じるのは渡洋史(わたり・ひろし)。シャリバンに続きメタルヒーロー2作目の主演。
スピルバンは観ていなかったが、宇宙刑事シャリバンは観ていたので、シャリバン関連の動画を検索。
すると
シャリバン変身(赤射蒸着)シーンのみを編集した動画
シャリバン35周年記念対談動画
が目に留まった。
赤射蒸着の動画は、変身直前の伊賀電が「赤射」と叫びシャリバンに変身するシーンの編集。まるまる1年分。
35年対談動画はDVDか何かの特典映像のようだが、前編後編に分かれていた。(2017年発売のブルーレイボックスの特典映像)
対談は主人公・伊賀電を演じた渡洋史と、サポートの女宇宙刑事・リリーを演じた降矢由美子
2人にしてみればかなり前の話になるはずだけども、テンポよく当時の撮影秘話などを語っていた。
※対談企画がギャバンだと大葉健二叶和貴子の対談になってしまい、大女優に気を使う対談になってしまうし、シャイダーだと主人公がすでに故人なので成立しない。
もともとジャパンアクションクラブに所属し、千葉真一の付き人だった渡洋史(本名は渡辺洋 ワタナベヒロシ。スタッフからはナベちゃんといわれていた)。
アクションができるので、伊賀電に扮しているときの動画(赤射蒸着)を見ると、かなり危険なアクションを繰り返していたことがうかがえる。
10階以上のビルから飛び降り、降下中に赤射。伊賀電は赤球に包まれ、重力にとらわれずにビルの屋上や崖の上に移動し、そこでシャリバンとして実体化する。
ビルからの飛び降りは人形でないことと、合成映像でないことはあきらかだったが、この対談で下にエアマットをひいて実際に飛び降りていることが判明。
「当時はバカでしたねー。エアマットないところに降りちゃっても死なないと思ってましたから」
この赤射蒸着動画集は、そのほかにもがけ下に突き落とされた伊賀電が赤射するシーンや、ダムの上から落とされるシーンがあるなど、渡洋史にとってかなり過酷な現場が想像できる。
実際ケガはしょっちゅうで、足の甲の外側を剥離骨折したとき、まっすぐには走れるのでそのまま仕事を続けていて、ようやく仕事の切れ間に大泉学園撮影場の近くにある病院に行ったところ、骨がよくない状態でつき始めていたので、骨をはがして付け直すと、松葉杖でないとあるけなくなったとのこと。
撮影に大いに支障をきたし、アクションシーンは伊賀電の服装をまとったスーツアクター(村上さんという人らしい)が演じ、上半身アップなどは本人を撮影。
また逆にスーツアクターがケガをしたため、シャリバンの中に伊賀電が入ってアクションをしたこともあるとのこと。
たしかにあのアクションシーンをみる限りでは、けが人は出るわな。
グランドバースのコクピットもベニヤばりで見た目は電飾チカチカ。撮影現場はめちゃめちゃ狭いにもかかわらず、グランドバース内で普通に生活をしている風にみせることもだいぶ苦労したらしい。
思いのほか、面白い対談動画だったな。
シャリバンは伊賀電やイガ星にからむストーリーがよくできていて、アクションだけでなくストーリーも面白かった覚えが。DVD観たくなったな。

■ 2 ■ その他

都合2度、装飾古墳を目的に九州を旅行。
当初装飾古墳は、筑紫磐井の乱で鎮圧された筑紫の民が古墳の表を装飾するのではなく、石室の中を装飾することにより、自分たちの考えや埋葬方法を残していったと思っていた。
しかし、九州南部にはもともと装飾埋葬する風習があったらしいので、古墳文化と融合したのではないかと思っている。
また、歴史での敗者である磐井については埋葬地は特定されているものの、殺されずに豊後の国に逃げ延びたという義経伝説もある(筑後国風土記逸文)。そのほか九州にある古墳では(記録がないため)その埋葬者がほとんどわからず、装飾古墳を含む地域独特の風習などがあったはずだが、これも判明していない。
磐井の子孫については豊後の国に逃れているのであれば、その地域に子孫は残っているはずだし、義経伝説であるなら磐井をしのぶ筑後の人々によって語り続けられ、現在は資料館展示物や研究本として残っている。
逆に記録に残っていない、他の地域の「磐井」もいるはず。これはまだ私が知らないだけなのか、いずれ知ることなのか・・・・。
仏教の伝来で埋葬方法が次第に変化していき、大和朝廷でも古墳がなくなり寺院がその埋葬場所に移っていく中で、装飾古墳も同様の理由でなくなっていったものと思われる。
実際は大型化する古墳と同様、作るのが大変なので、やめてしまったというのが実態ではないだろうか。
結論が出るような話ではないものの、やはり現地でなければ触れることのできなかった情報が多々あったので、収穫の多い旅行だったと思う。

■ 3 ■ 読書

蘇我の娘の古事記 ※20冊目
 蘇我氏の末裔であり、盲目の「コダマ」。記憶力がよく、役人として国史の返済に携わる父・夫が残した「大王記」や、そのほか昔語りをする長老などの話を「古事記」としてまとめる。古事記編纂に至るまでの話を主に「コダマ」の視点で描いていくが、蘇我氏から天武天皇に至るまでの戦乱の時代の時代考証や説明もとても詳しい。