●天を衝く(全3巻)
高橋克彦の東北シリーズ読破(火怨、炎立つ、風の陣)。
・本作以外の3作は古代史(奈良〜平安)、この「天を衝く」は戦国時代。
・当初は源氏と蝦夷の戦いが戦国時代まで続いているように思えたが、本作は完全な「戦国モノ」。
・奥州南部家の家督争いが第2巻までモタモタと続いているが、第3巻では主人公である九戸政実が南部本家(全国制覇目前の秀吉に本領安堵されている)と決別し、勝てる見込みなしの大喧嘩を始める。
・本家と決別した九戸党は本家と戦争状態に入るものの、秀吉に恭順している本家と争うと言うことは、秀吉と戦うということ。
・政実は当然秀吉との対決を視野に入れた喧嘩を始めたわけで、秀吉の全国支配のやり方について身をもって反抗した。
・九戸党の戦力は5千。南部本家は内乱征伐のための豊臣奥州軍の援軍を受け、総数は10万。
・軍監である浅野長政は九戸党に好意的ではあるが、総大将・蒲生氏郷は攻城戦を失敗するごとに九戸党の実力が侮れないことを知る。
・攻城戦が進まぬ中、豊臣秀次の援軍10万が援軍に駆けつけることに。
・とんでもない戦力差だが、ガチンコ勝負で城は落ちなかった。
・光栄の信長の野望嵐世記」武将ファイル(初版2001年)によると九戸政実とその弟・実親の総合評価はBとDで、武将の数も少ないことから九戸党が小説のような戦いをするのはほとんど至難。
・ゲーム内のステータスを見ると、やはり生き残った「勝ち組み」のステータスが高めのような気がする。

●大和燃ゆ(八木荘司 角川文庫)
・本屋で平積みになっていたので購入したが、解説を読んでみると「遥かなる大和」「青雲の大和」の続編となる作品。
・時代も聖徳太子飛鳥時代からシリーズが始まり、3作目大和燃ゆでは中大兄皇子が実質的な政権を握り、唐の侵攻が半島(百済)に及ぶ直前からはじまる。
・キャラ設定は継続されているようだが、それぞれの作品には時間的な隔たりがあるので、大和燃ゆからスタートでかまわないと判断し、読み始めた。
・艦これのイメージから「大和沈没」の物語かと一瞬思ったが、古代史は好きなのでこれでOK。