◎外人烈伝(1)近鉄編 1989年

野手陣では大石第二郎が31歳で円熟期にさしかかり、金村義明(26歳)村上隆行(24歳)鈴木貴久(26歳)が頭角をあらわし始めた。
反面、ベテラン勢(淡口37歳、栗橋38歳、羽田36歳)もまだ余力を残しており、若手を育成しつつ足りない部分はベテランで補うという起用法がシーズン中もとられていた。
この年、球団に所属した外国人は3人。

 ラルフ・ブライアント外野手
 パッド・ドットソン内野手
 ハーマン・リベラ内野手(4月12日に入団発表、4月16日ロッテ戦から出場)
 
開幕スタメンは 真喜志・大石・ブライアント・鈴木・ドットソン・村上・山下・安達 であったが、じきに大石・新井・ブライアント・鈴木の1−4番に固定される。
ブライアントはともかく鈴木の4番はまだ時期尚早、村上も確実性に乏しく、金村も開幕初頭はあまり起用されていなかった。
ブライアント以外にもう1人大砲を獲得し4番に据え、少し時間の必要な鈴木を5番、6番以降に村上・金村を起用することが理想であった。
頼みのドットソンはアベレージヒッターで、開幕から5−6番に座り述べ6試合に出場、5安打(うち2塁打1)を放っただけでリベラと交代で二軍降格。

 6試合 打率313 HR0 打点1

4月12日に入団発表があったリベラは右打ちの大砲。
4月16日からサードを守り、金村が台頭してきてからはファーストの守備についた。

 123試合 打率260 HR25 打点79 (失策19)

1 4/29 B佐藤義則 
2 5/2  O園川
3 5/18 O平沼
4 5/21 F西崎
5 6/1 L渡辺久信 
6 6/2 F金沢
7 6/3 F津野
8 6/6 H加藤伸一 
9 6/6 H井上
10 6/20 O荘
11 6/21 O村田
12 6/21 O村田 
13 6/25 B酒井勉 
14 6/27 L渡辺久信  
15 6/30 H西川
16 7/5  O村田
17 7/31 F柴田
18 8/22 O村田
19 9/21 H松本
20 9/30 O小川博
21 10/6 B星野  
22 10/6 B酒井 サヨナラ3ラン
23 10/10 L渡辺久信 
24 10/12 L高山 
25 10/14 H村田

上記がリベラのHRの内訳。6月が11本とバカ当たりした半面、7−8月は警戒されたのかペースが激減している。
肝心かなめな10月にオリックスとライオンズから打っていることが大きく評価される。
残念なことに試合記録からは、どのような状況でホームランを打ったかが容易に推測できないので、本塁打にどの程度の価値があるかどうかは不明。
ただし一流投手から打っている(特にロッテ村田、西武渡辺)のでそれなりに評価できるはず。

 129試合 打率283 HR49 打点121 (三振187・リーグ1位)

ブライアントの活躍については特に書き記すこともないだろう。
あえて書くならば10月12日の対西武戦ダブルヘッダーだろう。
1試合目。序盤4−0とリードを許した近鉄、ブライアントが46号ソロを放ち1点を返すが、辻のソロによってさらに4点差となる。
6回無死満塁で郭泰源から47号満塁弾で同点。8回から渡辺久信が登板したが、ブライアントの48号で勝ち越し。
第2試合にもブライアントは49号を放ち、打線も爆発して大勝した。
ムラも多く三振も多いブライアントであったが、このときは神であった。