今期のプロ野球パリーグ編を振り返るため、シーズン前に記載した文章(412話)を再録。

■シーズン概要(再録)

ここ数年なにかと不本意な制度のおかげで優勝やら日本シリーズ出場を逃し続け、王監督の胴上げが先延ばしになっている昨今、王監督の健康上の理由もあり優勝待ったなしの状況になってしまった。
今年のホークスはチーム一丸、火の玉のごとく獅子奮迅の活躍をしてくれることだろう。

斉藤和巳の出遅れ(※1)はやむを得ないものの15勝(※2)してくれる投手なのだから待って損はない。
開幕からは和田、杉内、スタンドリッチ(※3)の3人に昨年コントロールの調整を終えた新垣が大車輪(※4)の活躍。
大場も5番手でローテ入り(※5)し、穴日には神内・大隣・水田らが好投(※6)。
先発が崩れても中継ぎ陣が味方が逆転するまで踏ん張り続け、最後はお決まりの馬原。4月末までで20S(※7)。
中継ぎ陣も150キロを超えるストレートを武器にする郄橋秀、ストレートの投げ方を思いだした篠原、星野順治も変化球のキレがなぜか復活(※8)。
ノミの心臓といわれた立命館大出身の山田秋もハリをうって心臓を強化、自分の本来の力を発揮(※9)。
三瀬も内角球のコントロールとスライダーが復活(※10)、ドラ1の山村もようやくエンジンがあったまってきて全開状態(※11)。
交流戦前に他球団を次々と蹴散らし、ペナントをまったくつまらないものにしてしまった。

投手陣だけでなく、打撃もなにかがのりうつったように爆発。
昨年確立した川粼・本多の俊足コンビが相手投手陣を揺さぶる(※12)と、多村・松中のコンビが豪打を炸裂させる(※13)。
5番以降も小久保は欠いているものの、柴原・大村の本来上位を打てる打者が睨みをきかし、新外国人レストビッチが10年に一度のアタリ外人(※14)、江川・松田の若手も楽な打順で打棒を爆発させる(※15)。
唯一の欠点は捕手なのだが、打てる捕手・城島クラスの選手はそうそういない。
肩とリードのバランスで捕手を使い分け、投手のよさを引き出すことに専念。

さて、交流戦パリーグの各チームに勝ちこしてしまっているホークスにセ・リーグの各球団がどのようにぶつかってくるのか。
投手陣が強力な中日にはさすがに苦戦(※16)。強力無比な巨人に対しては、シーズン前からもその金にものをいわせた強化方針にホークスファンが総動員して巨人を非難。
毎試合3万人のホークスファンの大声援に巨人ファンもいつしか感化され、球場の巨人・ホークスのファン全員がホークスを応援する。
心理的なアドバンテージを得たものの、汚い打撃陣に打ち負ける試合もしばしば。ようやく勝ちこしたが、日本シリーズで巨人を粉砕することを誓いあい、チームがさらに一丸となる。
阪神以下の下位球団にはまさに申し訳ない結果が続く(※17)。
交流戦が始まって2週間もすると、相手球団は投手を消耗しつくし毎試合5回になると早く終わってくれとテルテル坊主をつるしだす始末(※18)。
阪神・横浜・ヤクルト・広島の球場には屋根がないため雨天中止がありえる)

セリーグのホークス退治がアンチホークスファンに望まれたが、ホークスは結局動じることがなく、順調に勝ち続ける。
そんな中、王監督のラストシーズンということで、密かに心を痛めていた城島が秘密裏に来日。
スタンドでホークスが一丸となって闘う姿に涙する。
ホークスへの復帰を心に決めた城島は、さすがにこのままの姿ではマズイので、6月下旬の新戦力獲得期限ギリギリに登録名「ジョージ・マッケンジー」・球界初のマスクマンとして入団(※19)。
これで唯一のアキレス腱であった捕手のアナは埋まった。

7月・エース斉藤も満を持して一軍登録(※20)され、すぐさまローテに加わった。
疲れのみえてきた先発ローテ陣のカンフル剤となった。
8月。シーズンはかくして終わった(※21)。どんなに負けても優勝はまちがいない(※21)。
ここで選手層の厚みを増すためとベテランを休ませるために、若手を積極活用。

散々苦しめられたCSシリーズ(※22)も文句なく突破。
つづく日本シリーズの相手は球界の敵ともいえる巨人。球界の悪とも言える球団に負けるわけにいかない。
交流戦を8分の力で闘っていたことがここで幸いし、かつ夏場から活躍した若手のデータの収集も、巨人スコアラーが次々と天然痘で倒れたため不十分。
さらに巨人ベンチは外様組が内紛を起こし分裂状態。ホークスの敵ではなかった。
かくして、ホークス悲願の日本一は達成された。

以上。

※1 10月4日現在、いまだに出遅れている。
※2 登板なし0勝
※3 スタンドリッチは早々に1軍落ち、0勝2敗。
※4 どうやら新垣は9月にシーズンが開幕するものと思っていたらしい。
※5 春先はローテで投げていたが、二軍落ちするとあとは浮いたり沈んだり。
※6 大隣はローテ入りしたが、神内は登板なし、水田は中継ぎでたびたび試合をブチ壊した。
※7 ケガで夏場まで復帰せず。
※8 いずれも登板試合数は20試合程度。星野はほとんど戦力外、篠原がせった試合で投げている程度。
※9 今期の登板は1イニング未満。ハリをうった気配はない。
※10 復活したかどうかは不明。
※11 エンジンを切ってしまったらしく、今期登板なし。
※12 開幕早々、セカンドの本多がケガで休場。川粼が二遊間を1人で守らなければならなくなってしまった。
この川粼の負担増がオリンピックで噴出し、今度は川粼がケガ。オリンピック後は二遊間を本多が1人で守ることになってしまった。
※13 多村が早々にケガでコンビを解消してしまった。
※14 10年に10人のふつーの外人だった。
※15 主軸のケガで松田が3番5番に入ることが多くなり、松田にとっては余裕なし。江川は二軍で余裕を満喫。
※16 中日には勝ちこし。
※17 巨人には勝ったが阪神には負け越した。交流戦の時期はまだ勝ってたなあ。
※18 テルテル坊主をつるすと雨がやんでしまうのでこれは誤記。
※19 城島にいたっては来日も入団もマスクマンもなかった。
※20 いまだに一軍登板なし。
※21 9月に入って急失速、現在楽天とビリ争い。
※22 10月4日現在、CSシリーズに出場できる可能性がない。

誤算がこんなにあるとは思わなかったよ。少なくとも最下位だけは避けてほしい。