松本清張「火の路」猪瀬直樹「道路の権力」をまとめて読了。

清張の作品は古代史にまつわる話であったが、仏教が伝来する頃に他の宗教も日本に伝来していたのではないかと言う自説を述べたいがための作品であるように思える。
作中の人物の「論文」「イラン行」が後半の大部分を占めるが、この話の謎の部分にあたっている、ある先進的な学者が学界を去らなければならなかった理由等についての解明は極めてシンプル。
突然のひらめきで推理が進行し、読者のミスリードを誘う部分もない。
この作品の主題は「論文」「イラン行」にあるものと思われるので、その他のストーリーには眼をつぶるべきなのだろう。

「道路の権力」は道路公団解体に至るドキュメント。しかしこの作品だけでは完全決着に至っておらず、続編が出版されている。

先日年金基金の運用についてバブル期に年金基金のお金をつかって採算のとれない巨大リゾート施設を作り上げ、ろくに償却しないうちに廃屋状態というニュースがあったが、他の公共機関も似たようなことをやっている。
スパウザ小田原。12階建てのリゾートホテル。98年3月完成。総工費455億円。失業保険の基金が使われている。
このスパウザ小田原は早々に採算があわなくなり、地元に叩きウリともいえる安値で売却。
このように損得勘定もできない人間がゾロゾロいる公共団体が如何に多く、その実質ファミリー会社である株式会社に至っては何百何千もある。
税金を上げる前に、無駄な団体をすっぱり整理するだけで随分と違ってくるはずだ。

現在はグインをほったらして猪瀬直樹「日本国の研究」にとりかかっている。