・首都高速の謎(扶桑社新書 清水草一)
  道路問題のその後については猪瀬直樹が本を書かなくなったので、眼にとまった新書を購入。
  「民営化は正解じゃないか」論と首都高速の渋滞解消問題がおもな題材だが、どちらかというと猪瀬直樹に反目する立場にあるのかと思ったが、巻末に猪瀬直樹との対談集が載っていた。

 ・地下鉄は誰のものか(ちくま新書 猪瀬直樹
  東京都副知事猪瀬直樹氏の著書。道路公団は民営化の前に問題点を解決してから民営化という流れであったが、帝都高速度交通営団の民営化に関しては「まず民営化」ありきで問題点がぜんぜん改善されないまま民営化されたとのこと。
  著者の現在の狙いは東京メトロ都営地下鉄の統合。
  言いたいことはよくわかったが、道路公団の時ほど問題点が浮き彫りになっておらず、かつ訴える力も乏しいように思う。
  「統合すれば便利でメリットたくさん」という結論では日本人のお国柄そのままになると思われ、道路のときのように「お金の流れがこんなにおかしくて、無駄が山のようにあるんですよ」というように悪を明確にする論法でなければ盛り上がらないのではないかと思う。

 ・原子炉時限爆弾 広瀬隆
  震災前に出版された、地震により原子力発電所が被害を受け、大規模事故になった場合どうなるかを書いた本。
  主題はいまだ起こっていない東海大地震静岡県御前崎にある浜岡原発の事故を想定しているが、話の流れとして福島県原発にもかなり触れている。