野村監督の「負けに不思議の負けなし」をもうすぐ読み終わる。
1983〜84年にかけて連載していたコラムの編集本なのだが、選手の生かし方・監督のチーム掌握術などが根底のテーマとしてあるようで、20年以上昔の文章がいま編集される意味はそのためだろうと推測。
しかし1983−84といえば私がプロ野球をみはじめた時期(HJペナントレースのセットを購入したのが1984版)で、当時の各リーグ・チームの状況については現在のプロ野球事情よりもむしろわかりやすい。
うれしい記述がいくつかあった。
ひとつは現役時代の大石大二郎の話。
大石大二郎は礼儀正しくマジメな性格で、あの広岡監督も「だれか1人チームにほしいとすれば」という仮定で「大石」を挙げたらしい。
走攻守揃っているだけでなく、彼のマジメさと謙虚さはチームに大きな影響を与えるだろうというのが根拠。
現に昨年、伊原や石毛、リー、コリンズらが監督に着任してなかなか上位に上がれなかったオリックスが監督交代後に大躍進。
20年以上前に書かれた大石大二郎の記述だが、なぜかうれしくなった。
ひとつはドン・マネーの話。
現役バリバリのメジャーリーガーで打撃の達人だった彼のスイングをみてノムさんも脱帽、と記事にあった。
スイングが最短距離で無駄がなく鋭い。出場している試合を観る限りでは三振も少なく、打撃タイトルをいくつかもっていけるだけの打撃をしていたとのこと。
惜しむらくは・・・・・・藤井寺球場。
ホンネは家族の強烈なホームシックが原因ではあるらしいのだが、シーズン通して出場していたらどうなっていたのだろう。
しかし20年以上前の記事を載せた本なのに、イーグルス時の野村監督の写真を表紙に持ってくるのはどうかと思うけどね。