■ 大神神社 ■

昨日(明日香編)の雪は本来ハレ男の2号の神通力が雨を雪に変えたと解釈すると納得がいく。
今日は2号の神通力がジワジワききはじめて天候は曇り。朝眼がさめた時点では太陽も出ていたので雨の心配はないだろう。
今回は三輪方面に向かうので、JR奈良から桜井線に乗り込むため駅まで徒歩。
奈良駅前でうどんを食べた後、1番線ホームへ移動。
今日は平日(月曜日)なので昨日一昨日とは街の雰囲気が違っていて、9時前なので桜井線にも学生の姿がチラホラみえる。
実はこの桜井線、25年前にチャレンジ2万キロ(詳細は過去ログ参照)で踏破したときに一度乗っている。
当時はオレンジ色の車両(確か101系)で大阪環状線あたりのお古を使っていた様子が伺えたが、ホームに入ってきたのは105系。
この車両もデビューしてから随分たつので、お古扱いは変わっていないということだろう。
先頭にワンマンの表示がなされていることは別に違和感を感じなかった(南武支線・尻手〜浜川粼がワンマン運転)が、中に入るとかなり改造されていた。
つまり無人駅がある桜井線ではバスのように出入口を1箇所にまとめないと無賃乗車がいくらでもできてしまうからだろう。
無人駅でドアーが開くのは先頭車両の一番前のドアのみ。無人駅でおりる場合は切符を渡すか、無人駅で乗車する際に受け取った整理券を渡して精算する)
奈良を定刻どおり出発し、すぐに関西本線と分かれて単線を進む。車窓は5分もしない内にローカルになる。
奈良の次の駅は「京終」(きょうばて)。奈良でこそ「なるほど」と思わせる駅だが、普通には読めない難読駅名。
左手に山麓、右手にはローカルな風景が(天理周辺以外は)続き、30分弱で「三輪」に到着する。
(三輪直前、右側に日本で2番目に大きい大鳥居が見えてくる。大きいですよ!とあらかじめ2号にレクチャーを受けていたが、想像以上に大きかった。見落とせというほうが無理というくらい大きい)
昨日の明日香は平城京に都を移す前に宮廷(京)が作られた飛鳥時代の地であったが、この三輪はおもに三輪山を信仰の対象とする神社が中心。
仏教が入ってくる前の時代の地。


三輪駅を降りると、いきなり雨。
旅行前の準備は入念に行ったつもりであったが、肝心な傘・カッパを忘れてしまった為、昨日は朝イチで傘購入。
その傘を今日はいらんと判断して旅館に置いてきてしまった。2本目の傘を駅前で購入・・・・。
雨が降って昨日よりむしろ寒い。
まずむかうのは大神神社。山をご神体にした神社であることは知っていたが、想像とはかなり様子が違っていていい意味で期待を裏切られた。
伊勢神宮に行った時に感じた「生きている神社」というイメージを受けた。
参道の入口にある鳥居。雨も降ってきたし正月でもないので人は少なくかなり静か。
鳥居の向こうに続く灯篭の明かりと参道脇にならぶ杉、地面からわきあがるモヤのようなものが神々しさをかもし出し、思わず「いい風景だね!」と3人で合唱。
Kさんと私は携帯電話のカメラ、2号はデジカメで撮影したが、どうしても眼で見た風景が写真にそのまま残らなかった。
参道を歩き続け、坂道と階段を登ると本殿。大神神社の周辺にも様々な神社がたくさんあるので大きなところをいくつかまわることにした。
案内図をみるに「1号さん、ここにも酒の神様は祭られているんですよ!」と2号がレクチャーをはじめた後、突然雨が強くなり、続けて雷が。
一昨年の7月、2号と一緒に京都嵐山の松尾大社に行ったときも、晴れてたのに御参りをするときに突然土砂降りの雨と雷にみまわれ「なんで?」と疑問に思ったが、今回もなぜか同現象が。
普段の行いか、酒の呑み方が神様に嫌われているのだろうか・・・・?(旅行初日に失敗しているのでお怒りなのか?)

当然のことながら、昨日降った雪がまだそこらじゅうに残っていて、神社の本殿の屋根にも雪が積もっている。
これも滅多にない風景なので携帯電話で撮影。
旅行に行く前に何かが足りない気はしていたが、それがデジカメであることを痛感。雪の奈良なんて滅多にみれないのに。
神社では御参りを行ったが、神社の数が多いためお賽銭にちょっと気を使ってしまうと千円なんてすぐになくなってしまう。
諸物価値上がりのためご勘弁くださいと念じながら拾円を投げることにした。
ご神体である三輪山に登ることもできる(2号曰く40分ほど登り続けると頂上につくらしいがかなりキツイとのこと)が今日は「登頂禁止」。
雪が降った日の翌日だからね・・・。

■ 噂の八大龍王神社 ほか ■

古代の人が歩いたという「山の辺の道」(天理の石上神宮あたりまで続く古道。足場が悪いのと坂道が多いので結構大変)を歩いて移動。
すぐ近所にある「狭井神社」(水の神社)でご神水をいただいたが、大型ペットボトル(大五郎級)で水をくみに来る人が多く、その集団の後尾に並んでしまうといつまでたっても水が飲めない。
松尾大社もそうだったな。
狭井神社から展望台(晴れた日は眺めがかなりよいらしい。今日は駅の反対側にある大鳥居が見える程度)若宮社をまわりながら「山の辺の道」を歩き続ける。
春や秋だったら風景がかなり楽しめそうな道。
すると「八大龍王神社コチラ」の立て札があり「ここが例の神社ですよ!」と2号の解説が入る。
この神社には鳥居が3つあってその一番奥に稲荷があるのだが、稲荷があまりにもおぞましい為、2号は1回来てから2つ目以降の鳥居はくぐっていない。
この神社に向かおうと神社への道へ曲がろうとすると、お兄さんが1人後ろを気にしながら神社の道から走ってきた。
見るからにアヤシイ。
「神社が恐ろしくて逃げてきた」「社務所の賽銭をカッパらって逃げてきた」云々、諸説がもちあがった。

この神社は8の字形の池にS字の参道があり、ちょうど池と池の真ん中に社務所がある。
社務所も何もない神社を想像していたので、社務所があるということはかなり安心感につながった。
社務所の中に御参りをするところがあって、壁と池越しにお参りするらしい。なぜかはわからない。
社務所の先に2つ目の鳥居があってその傍らに水子地蔵がずらりと並ぶ。そこを歩かないと3つめの鳥居と「おぞましい稲荷」にはたどり着けない。
2号は社務所お前で待機、Kさんと私が2つ目の鳥居をくぐる。背中に汗がにじんでくる・・・。
3つ目の鳥居の前に立つと、稲荷が目の前にみえる。稲荷といえばキツネなのだが、確かに異形。
眼が釣りあがっており、口に珠のようなものをくわえているが、牙のような歯もある。
体全体が黒色でマイナスイメージのカタマリ。
この神社にはこれまでの神社に感じられない、拒絶の意思というかマイナスエネルギーを感じた。
次回また来ることがあれば2つ目以降の鳥居をくぐって奥に行こうとは思わないだろうな。

再び山の辺の道を歩き続け、檜原神社に到着(玄賓庵で一休み。僧・玄賓が隠居生活をしたという邸宅。茶店ではありません)。
ここには珍しい「三つ鳥居」がある。木々に囲まれた鳥居周辺の風景もよく、先ほどの龍王神社のマイナス面を癒してくれるようだ。
ここからは山の辺の道をはずれ、桜井線を渡った反対側の箸墓古墳へ移動。
大きな古墳なので檜原神社からも古墳は見えているが、距離は結構ある。

■ 箸墓古墳 ほか ■

箸墓古墳は一説では卑弥呼の墓という説もある古墳。
水堀があり近くに行くことは無理かと思われたが、水堀があるのは半分のみ。
古墳の境界沿いに道路があるのでそこを歩きながら古墳を周回。
太陽も出てきてのどかで実にノンビリできる。
そろそろお昼なのでおなかもすいてきたが、コンビニ1軒ない。
電車でまず移動するしかないかなと思っていると、三輪にゅうめんの工場がすぐ近くにあった。
新しい大きな建物で、土産物も売ってるし飲食もOK。
入口から中に入ると50畳以上ある大きなフロア。食事をしたいことを伝えると奥の部屋へ案内された。
この工場で作っているにゅうめんと柿の葉寿司のセットを食べる。昨日と同じメニューだがうまい。
ここでお土産を買ってから桜井線で天理へ移動。
天理駅から街を抜けたところに石上神宮がある。
この天理という街は天理教の総本山ということはわかっていたが、その規模の大きさに驚かされた。
市役所近隣から石上神宮までの間、ず〜と天理教の施設が続くのである。
タクシーで10〜15分で石上神宮に到着。雨もまた降ってきて寒い。有名な七支刀もここにあるのだが、見せてくれない。
一通り参詣を済ませると再びタクシーで天理駅へ向かう。雨が降っていなければあるいてもよかったが。
「あの建物って市役所なんだよね」という我々の会話からタクシーの運ちゃんが話に加わってきた。
仕事がたまたま天理の担当になった人で、天理教信者ではないらしい。色々とほかでは話せないホンネをきかせてくれた。
我々が標準語をしゃべっていたので現地の人ではないことがわかり、その上で旅行できていることをカミングアウトしたので暴露してくれたのだと思う。
もう少し話を聴いていたかったし、運ちゃんもかなり話し続けたかった様子だが、駅についたので精算。
天理から奈良へ移動、旅館の近所の興福寺を拝観。阿修羅像もひさびさに見ましたな。

私の土産物購入のため春鹿酒造へ移動し、その後初日に行って失敗した「酒旨・春鹿」へ移動したが、なぜか「休み」。
ショックではあったが、それではと昨日行った「なる」へ移動。昨日もらったサービス券が役に立つとは。
みんな働いている時間から酒を呑むのはやはり気持ちがいい。