●志士の時代(ゲーム日本史第8号)

5月4日のゲーム会ではプレイできなかったので、次回のためにルール概要を説明しておこう。
その前にドイツゲーに対する個人的私感を(自分のゲームの好き嫌いの尺度について考えてみた)。
(1)ドイツゲームは「ルールの範囲内で遊ぶ」というイメージがあり、勝ち方をみつけるゲームという感あり。
(2)ウオーゲーム系のマルチゲームは(デザインが古いというのもあるが)プレイヤーの個性が出やすく、ゲームの流れによって展開が変わるので、固定された勝ちパターンは少ない。
(3)反面、プレイヤーの技量次第では、グダグダになりやすい。
(4)ゲーム(とくにウオーゲーム系SLG)は勝利を目指すものでもあるが、その展開も楽しみの要素である。
(5)ドイツゲーの中でも展開を楽しむゲームがやはり個人的には好きである。
(6)ギャラクシートラッカーやK2を面白いと感じるのは「展開による面白さ」があるからだろう。
(7)反面、重めでガチプレイの「アグリコラ」等をあまり好きでないのは、同様の理由による。

◎ゲームの歴史的背景と勝敗の決定

タイトルのとおり時代は幕末。ペリー来航により尊皇攘夷運動がわきあたる頃からゲームは始まる。
プレイ人数は3−6人。プレイヤーは各軍を担当するのではなく、カード化された歴史的人物を動かしてVPを稼いで、その数を競う。
ターンは全4ターン。4ターン目に条件※を満たすと「戊辰戦争」が始まるが、条件が満たされないと4ターン終了までに稼いだVPで優劣が決まる。

※条件=「歴史ゲージ」が15に到達すること
歴史ゲージとは「第1ターン(ペリー来航時)」には1ではじまるが、各キャラクター(カード化された歴史的人物。以下同じ)の能力によって左右に移動され、第4ターンに15に到達すると戊辰戦争が始まる。
歴史ゲージは「日本国内の情勢」を表しており、その情勢になることによってVPを得るキャラクターがそれぞれ存在する。

歴史ゲージは1−3(攘夷、尊皇)4−6(開国、佐幕)7−9(公武合体、佐幕)10−12(大政奉還、尊皇)13−14(倒幕)15(薩長同盟戊辰戦争)に分類されている。

序盤に登場する3名を比較すると・・・・
井伊直弼=(VP取得条件)開国・佐幕
吉田松陰=攘夷・尊皇・倒幕
島津斉彬=開国・公武合体

歴史ゲージ1−3(攘夷・尊皇)の状況では井伊直弼島津斉彬はVPを得ることができず、吉田松陰は攘夷・尊皇の2項目を満たしているので2VPを得る。
つまり井伊直弼島津斉彬カードを持つプレイヤーとしては、はやく歴史ゲージが4以降に移動してもらいたいわけで、またプレイヤー本人もそのように行動することになるだろう。

◎ターンの流れ
1.リソースフェイズ
 プレイヤーの行動の源泉となる「お金」を受け取る。
 リソースとは単純にお金だけを指すのではなく、時代への影響力も含められる。 
2.維持フェイズ
 「京」に兵力を置いている場合、1兵力につきリソースを1払う。
3.暗殺フェイズ
 第2ターンと第4ターンに発生する。
 
 第2ターン 暗殺対象者:井伊直弼 実行可能者:一橋慶喜山内容堂毛利敬親
 第4ターン 暗殺対象者:坂本竜馬 実行可能者:新撰組薩摩藩
       暗殺対象者:孝明天皇 実行可能者:岩倉具視
4.オークションフェイズ
 キャラクターカードを1枚づつ「第1プレイヤー」からセリにかける。
 (第1プレイヤーは賭金0の宣言が可能)
 カード1枚のセリが完了したら「第1プレイヤー」を左どなりのプレイヤーに移動したあと、2枚目のカードのセリを開始する。
 第1ターンに登場するカード全部のセリが終了するまでセリを行う。
 パスを1度宣言すると、そのカードに対するセリには参加できなくなる。
5.アクションフェイズ
 各プレイヤーが保持しているキャラクターカードについて、アクションを行う。
 1枚のカードのアクションを行なったら、左どなりのプレイヤーに手番が移り、そのプレイヤーの保持しているカードの中から1枚を選んでアクションを行う(以下同様)。
 パスを宣言することも可能だが、パスを宣言した場合、すべてのカードアクションを終了したことになり、そのプレイヤーのアクションフェイズは終了する。

 カードのアクションの手順。
(1)カードに記載されているイベントを実行
(2)歴史ゲージの移動:歴史ゲージを動かす能力があるキャラクターはリソースを払って歴史ゲージの移動が可能。
(3)兵力コマの移動:1兵力につき1リソースを払う。本国から京への移動のみ可能。移動終了の時点で、もっとも京に兵力をおいている場合、1VPを得る。
(4)歴史ゲージからのVP獲得

アクションフェイズが終了したら、ターンマーカーを移動し次のターンが開始される。
    
戊辰戦争(第4ターンのみ発生可能性あり)
第4ターンのアクションフェイズ中に歴史ゲージが15になった場合(第3ターンまでは歴史ゲージの上限が14であるため、戊辰戦争は第4ターンのみ発生)その時点で戊辰戦争が発生し、日本全国が戦争状態になる。
○開戦処理
(1)歴史ゲージが戊辰戦争ゲージに移動し、戊辰戦争の状況によって各キャラクターはVPを得る。
 (歴史ゲージは未使用になり、歴史ゲージからはVPを得ることができなくなる。またカードの各ションでは(戊辰戦争)ゲージを動かせなくなる)
(2)戦費調達:VPを消費して戦費(リソース)を得ます。1VPにつきリソース3。最大5VP消費可能。
(3)去就の決定:佐幕派につくのか倒幕派につくのか(もしくは中立)をキャラクターカードごとに宣言する。孝明天皇(もしくは明治天皇)はどちらの軍を「官軍・賊軍」とするかを宣言する。
 各藩の去就については個別のルールがあり、途中で去就は変更になる可能性がある。賊軍に指定された場合は戦闘でダイス目が1マイナスされる。
(4)開戦(鳥羽伏見の戦い・京での戦闘)
 京都での戦闘を処理する。戦闘終了後の状況により戊辰戦争ゲージの位置を決定する。   

開戦処理が終了したら、アクションフェイズ(カードごとのアクション)を継続する。
ただし、京以外にも兵力を移動させることができるようになり、日本全国が戦争状態となる。

戊辰戦争の有無にかかわらず、第4ターンのアクションフェイズが終了した時点でVPを集計し勝者を決定する。
ただし、1位のVPが15点以下の時は全員が敗北する(日本の内戦状態が続き外国の干渉を受ける)。
VPを消費させるアクション(戦費調達およびレオン・ロッシュ※のカード能力の使用)は一考が必要となる。

※レオン・ロッシュ
【フランスとの同盟】戊辰戦争中いつでも幕府・奥羽越列藩同盟・北海道共和国軍のいずれかに武器の売買が可能。
このイベントが発生すると、全プレイヤーVP10点マイナス。
フランスとの同盟をしないことを選択すると、レオン・ロッシュ所有プレイヤーは3VP獲得。

キャラクターカードは全36枚。時代への影響力は☆印でカードに記載されているので、セリを行う際の価値判断は容易。
保有できたキャラクターカードの組み合わせによって、日本の戦乱がどのような終結をむかえるべきなのか変わってくるので、プレイごとに展開は変わるはず。
倒幕派佐幕派のカードを獲得して、都合良くVPを稼ぐのが良いのかも。
戊辰戦争になった場合、官軍になるのか賊軍になるかによって大きな違いがあるので、孝明天皇明治天皇)の存在は重要。
ただし戊辰戦争にならなければたいした能力がない(上記2枚)。

まあルールはこんな感じです。あとは「ウオーゲーム日本史」ホームページ等で各自研究してください。
近いうちにやりたいなあ。

http://wargamejapan.jp/