・神々の流懺
 梅原猛日本書紀古事記(主にヤマタノオロチ因幡の白兎、国譲り)の新説。
 出雲伝説とされている伝説はいずれも別の場所でおこった事件であり、それをまとめて「出雲でおこったこととする」というのが骨子。
 古い神はすべて出雲に集約されてしまっているので「神々の流懺」というタイトルになった。

 上記の伝説に対する新説はいずれも関連性があるわけではなく、記紀の各論で立証もされているわけでもない。
 また、記紀の編纂に影で政界を操っている大物人物(藤原不比等)の存在を指摘、論文発表当時(1980年ごろ)は斬新な説であったかもしれないが、25年たった今ではさほど新鮮味もない。
 逆説の日本史(井沢元彦・影の大物藤原不比等を大リキセツ)を先に読んでいたし・・・ 

 あとがきで筆者が「今この論文を読み返してみた感想」を率直に書いているが、オロチ論、白兎論ともに「今思えば全面的に賛成できない」という回答。
 三輪山をオロチに見立てるあたりは説得力あったのだが。

・飛鳥とは何か(現在進行中)
 同じく梅原猛の論文(?)。
 梅原猛の古代史に関する興味と論文は順番があり、隠された十字架(法隆寺論)→神々の流懺→飛鳥とは何か→聖徳太子論(集英社文庫・全4冊)となっているようだ。
 法隆寺の研究にはじまり、それを端にして記紀に対する疑問が生じて研究、また飛鳥に戻ってきて最後が聖徳太子論。
 聖徳太子論に至る前に飛鳥奈良時代のさらに昔を研究をしていたとのことなので、論文の発表には時間差があるようだ。

・奈良の祭事記
 2月上旬分まで読み終え、一時停止中。
 興福寺のツイナ式、春日大社の万灯篭について記載あり。
 神社のお祭りは事前に知識を仕入れておくと楽しみが大幅にアップしますね。