日本経済新聞原発関連記事
 最近エネルギーミックスの短期連載や、原発稼働率などの記事がよく見受けられるが、どちらかというと「原発ありき」の記事ばかり。
 「なくす」「減らす」の言葉は出てこない。
 きっと財界をはじめとする各方面の方々(原発の恩恵にあやかっている人たち)も読んでいるだろうから、うかつに書けないんだろうけど。
 しかしオソマツだったのは12月1日付の「きょうのことば」。

 原子炉格納容器〜鋼鉄・コンクリートに覆われる
 放射性物資の漏洩を防ぐために5重の壁があるという解説。
 1.燃料ペレット(焼き固めたウラン燃料)
 2.燃料被覆管(ジルコニウム合金)
 3.原子炉圧力容器(鋼鉄)
 4.原子炉格納納容器(鋼鉄+コンクリート
 5.原子炉建屋(コンクリート

 この解説は以前読書コラムで書いた「原発の闇を暴く」(集英社新書 広瀬隆・明石昇二郎)の106ページに同様の記載がある。
 この解説自体、文科省が中学生向けに作った教材パンフレットの一部の丸写し、まさに子供だまし。
 そもそも1.燃料ペレットはウランそのものであり、原子炉内の部品の一つであり、けっして壁ではない。
 2.も同様、燃料棒として核分裂を起こすための部品であり、壁ではない。
 実質的には3重の壁であり、今回の事故ではこの壁でも防ぎきれなかった。
 いったい何を解説したいのか、まるでわからないコラムだった。