目の前にある札勘機(自動で紙幣を勘定する機械)に手を突っ込むだけで瞬間移動(転送)が実感できるらしい。
 そのためには機械が発動する時間をセットしなければならない。
 横では上司が2台ある機械の右側に手をかざし、機械のセッティングを行っている。
 この場所はいま危機にさらされていて、一刻も早く機械を作動させて安全な場所に移動しなければならない。
 上司にせかされながら時間を3分後にセットし、機械に手をかざして作動を待つ。
 時間がやけに長く感じられ、セットが正しいのかどうか確認したくなってくる。
 すると手をかざした右手が入るはずのない機械の中に吸い込まれ始め、気がつくと周囲は銀色の金属壁に囲まれていた。自分ひとりが立っているだけのスペースしかないが、頭上の空間は果てしなく続いている。
 隣のスペースに上司が同様に立っており、じきに体が浮かび上がるような抑揚感につつまれる。
 エレベーターを高速で上昇していく感じなのだが、途中でだんだん息苦しくなり、だめだと思った瞬間に抑揚感がストップし体が急速に落下しはじめた。
 明らかな失敗。叫び声を上げたが、気がつくと転送失敗の文字が目の前で点滅していた。

 ・・・・・・・・・なんの予知夢なんだろうか。