●東北旅行記(遠野編)

大宮から新花巻へ移動。快速はまなすに乗り換え。
東北への旅行は学生時代のゼミ旅行以来。新花巻の下車も釜石線に乗るのもむろんはじめて。
かれこれ20年ぶりの東北紀行になる。
新花巻は釜石線と新幹線が立体交差するところに作った駅なのか、新幹線の駅は立派だが、釜石線のホームはきわめてローカル。
無人駅だしホームも片側1本のみ。トイレも新幹線ホームにしかない。実に対照的。

釜石線は非電化区間なので車両はすべて気動車ディーゼルカー)。
国鉄時代よく乗っていたディーゼルカーといえば(キハ58など)やたら音がうるさくて、その割りにちっとも速くなく、かつ微振動も気になるという特徴があったが、JR製の新型ディーゼルカーは音も小さいし振動もほとんどないし、電車と言ってもさしつかえないぐらいすばらしい。
このキハ110系(100系)の難点といえばJR製車両にありがちなロングシート車(通勤用横並び一直線シート)があるということ。
通勤通学のためにはシートの効率的な配列は必要であるとは思うが、旅に出た客から見ればやはり4人がけボックスシートが望ましい。

10時過ぎ、遠野着。晴れ100%の予想を信じてレインコートは持ってこなかったが、現地に着くと曇り模様。
コンロッカーに荷物をいれ、観光案内所でレンタサイクルの手続きをしていると、雨が降ってきた。
雨がやむまで時間調整(お土産の物色等)しかし雨がやむ気配はない。
しかたなく雨具ナシで出発し駅前の散策をまず行うことを決めて外に出ると(すでにこの時点で選択ミス)不思議と雨がやんで晴れてきた。
「日ごろの行い!」と勝手に解釈して予定通り約2.5KM離れた伝承園へ移動。
遠野で使える時間は5時間。
遠野は日本古来の風景が楽しめる風光明媚な場所。
カッパがでてきたりする?日本昔話的な町なのです。

快適なサイクリングを楽しみつつ、20分ほどで伝承園へ到着。
ここでは曲がり家(馬を飼って生活をするのに適した住居)や佐々木喜善の資料館があり、休日は予約制で有料の語り部(おばあさん)の昔話も無料で聞けるという。
曲がり家の中の庵のある部屋でおばあさんの声が外に漏れ聞こえてくる。
気になるが今日は時間がない・・・・・ちょっと残念。
ここで雨がまた降ってきたので、雨具を購入することにした。

Kさん「すいません、カッパください!」

店員さんの反応を見ると、一瞬びっくりした様子。すぐに雨具だと思いなおしたのか、在庫を探してくれた。
一応私の頭の中には、店員さんが雨具のことを前提に応対するようであれば「いえ、そっちのカッパじゃなく、本物のほう」とボケは用意していたのですがね。

残念なことにカッパの在庫は子供用のSサイズのみ。
現有装備のまま遠野探索を続行することになりました・・・・。
(とにかくこのへんは山あいが多いためか雨が降ったりやんだり。雲量は8〜9。曇り時々雨の1日)

伝承園を出発し、近隣のカッパ淵へ移動。
現地は水辺だけあってヒンヤリしており、いかにもカッパがいそうな雰囲気。
でも私の視点ではちょっと整備されすぎているような気がしました。
水はともかく、川の淵がきれい過ぎ・・・・。

カッパ淵から次は水光園へ。ここで大きな過ちが。
おとなしく街道へ出て移動すればよかったものを、山のすそ沿いにショートカットすることに。
私が先導して車のほとんど来ない道を太陽の光を浴びながら優雅にサイクリングをしていたものの・・・。
道路は別れることも交差することもなくどんどんあらぬ方向へ。
「多分今はこのへんだ」と希望的観測で地図を頼りにズンズン移動。
さすがに「おかしい」と気になったのでようやく見つけた民家で地元の老夫婦に現在位置を確認。
・・・・・随分道がそれていました。大幅な時間ロス。

結局もとの街道筋へ戻ることにし、再び水光園へ。
思えばこの時点で水光園になにがあるのかよくわかっていない。ガイドブックにはちょっと説明と写真が載ってるだけ。
飯が食えるらしいのでそこで昼飯にしようと程度の情報量。
街道筋から現地へむかって移動を続けると(微妙な上り坂が続くので自転車ではちと苦しい)やたら「水光園、こっち」という張り紙が目立ち始めた。
その張り紙を信じて街道筋をそれると、これまたご丁寧すぎるくらい「こっち」マークが。
デンデラ野の表示も隠れるくらい「こっち」表示がなされているのだ。

かくして、昼飯が食える水光園はもうすぐだと自分に言いきかせながら、キツイ上り坂を延々と登りつくとそこには・・・。
「温泉あり、食事できるとことろあり、庭園あり」の水光園が。
庭園は外からも見えるので「まあこんなもんか」と思ったが、入り口はあきらかに「健康ランド的」。
風呂に入ることがまず前提、な雰囲気。

「風呂入りに来たわけじゃないからなあ・・・・・」

思わずつぶやいた私の一言にKさん大うけ。
時間がないので近隣のデンデラ野へ。
ここにはハナから何もないことがわかっていたので、期待せず現地へ。
・・・・・案の定なにもなかった。


ここで習志野ナンバーの乗用車が一台、狭い坂道を無理やり登ってきた。
「こんなところに車で来るなよ」と思ったが、のちにそれが正解であることがわかる。

時間がないので駅前の観光地へ移動することに。
街道スジに戻り一路駅を目指してペダルをこぐが、行きのような爽快感がなぜかない。
雨が降ってきたこともあるが、実はこの街道スジは駅から見てゆるやかな下り坂になっており、現在駅に向かって走る立場としては常に上り坂に挑戦し続ける状況にあるということ。
時間のロスもあるが、行きは爽快に感じたこの道も今となってはウラミの道。走行環境はすでに最悪である。
(しかも先ほどの習志野ナンバーの車が私をゆうゆうと追い抜いていった)

駅前近隣に着いたのはすでに14時頃。盛岡行きの快速は15時過ぎの発車である。
卯子酉様(縁結びの神社らしいので、いまさらながらお賽銭を上げて願い事。ここでは紅い布?に願い事を書いて結びつける。すでにかなりの量が周囲にあるのである意味圧巻)、五百羅漢、愛宕神社を一気に観光して観光センターへ移動。


飯も食ってないし、自転車はこぎっぱなしだし、雨には降られるし、消耗しっぱなしである。
レンタサイクルは返却時間をあとがきするシステムなので、実質的に延滞料金は発生せず。
混んでない平日だからかな?
快速の到着までお土産の物色。遠野に関する研究書なども売っているので、かなり迷う。
以前書いたようにここで「カッパ捕獲許可証(写真ナシ)」を購入(200円)。
期限がついているところがちゃっかりしている。

自転車で観光は無理!と悟った遠野、不完全燃焼であるが、とにかく来てよかった。