●せんしゃみち#4

前述のスコードリーダーは第2次大戦(欧州独ソ)における歩兵戦闘を戦術レベルでゲームにした名作。
歩兵戦闘(1ユニット=1分隊。1分隊は国にもよるが10〜15名)を基本としながら、戦車・装甲車・ハーフトラックなど歩兵vs車両、車両vs車両、対戦車兵器vs車両などルールにより適切に表現されている。
国産メーカーからこのようなゲームが発売されたかというと、私の記憶の範囲では皆無であり、志半ばに挫折したゲームを1つ知る程度である。
その心の折れてしまったゲームは、ツクダホビーの「レオパルド2」であり現代戦車(企画された80年代当時)の戦闘を基本としたゲームでありながら、歩兵戦闘を視野に入れて(追加パックで発売予定)デザインされていた。
しかし結局は戦車戦主体である「レオパルド2」が発売されたのみで、その後の追加セットは発売されることなく、現在にいたっている。
レオパルド2の元となったシリーズが同社の「タンクコンバットシリーズ」。
第2次大戦(一部例外あり)時に活躍した戦車が1両1ユニットで再現され、データに忠実な戦車戦を行うことを目的としている。
データにこだわった戦車戦のありかたについては、S誌デザイナーとの論議もあり賛否がわかれたが、結局は時間だけがただ流れ、世間から無視されて結論には至らなかった。
このシリーズは友人をはじめ誰も購入しなかったので詳細は不明だが、ツクダホビーが会員向けに発行した「オペレーション」誌によると、移動・照準・砲撃および防御装甲、被弾角度など実に「丁寧な」作りであることが伺える。
当然、戦訓を取り入れて強化されていったドイツ軍3号戦車や4号戦車は各型毎(?)にデータ化されており、世界各国の戦車を網羅している(はず)なのでその数は膨大。

第1作:タイガー1 ドイツとアメリカの主力戦車の戦い(西部戦線)を再現。
第2作:パンサー 独ソ戦における主力戦車の戦い(東部戦線)を再現。
第3作:パットン 戦後の現代戦車戦を再現。第2次大戦ものではないので他シリーズとの連結やルールが共用できないなどいろいろ違いがあるらしい。
第4作:九七式中戦車 ノモンハン以降、ソ連満州侵攻まで主に日本軍の戦車を中心に網羅。ゲームとして成り立つのか?
第5作:マチルダ 対仏戦、北アフリカ戦などを含む枢軸国と連合国の各国の戦車を追加。セット内容はほとんどイギリス軍だろう。無駄に戦車の数多いから。しかもヤラレメカばっかり。

上記作品はイエサブなどに置いてあることがあるが、中古ながら当時の金額と大差なく、いまさら購入しても閲覧用以外に目的を感じないのでスルー。
プロット式でなく、スピーディーさがあるのなら考えなくもないが。