ichigou012010-07-24


外人烈伝(2)近鉄編(1990年〜91年)

前回のようなペースではとても書ききれないので、加速装置!
書式については模索中。

●1990年(平成2年)

個人的に学生の身分だっただけあって、ヒマにまかせて中継を観たり球場へ行ったり、とにかくこの時期のプロ野球は印象深い。
歴史的にみても、この年は新人のアタリ年で即戦力がゴロゴロしていた。
近鉄、野茂入団。投手タイトル総なめ。
近鉄、選挙で当選した石井もこの年入団しており、3割22ホーマー。
・西武、潮崎・魔球シンカーで7勝8S
・中日、与田。快速球で新人王。広島佐々岡も新人王候補に。
・広島、広島市民球場にクモ男出現。
・巨人−ヤクルト開幕戦、篠塚疑惑のHR
・巨人、元木1年越しの巨人入団。
・ロッテ、小池(亜大)の交渉権を獲得したものの、本人はブッチョウズラで社会人へ。
・日ハム、防御率タイトルをとった河野失踪。
・中日、ナゴヤ球場でボヤ発生
・横浜、須藤監督が同郷の中山を酷使して3位躍進

近鉄はこの年、野茂の入団により投手陣がより強力になったものの、ペナント序盤は阿波野の不調もあり投手陣総崩れ(開幕2戦目から9連敗)で早くも連覇に黄信号。
野茂もローテの一角に加わったものの、奪三振や勝ち星がついてくるのは春を過ぎてから。
夏場以降本領を発揮したものの、春先のツマヅキが影響し、結局は3位に終わった。

話が先行してしまったが、近鉄は優勝した翌年、連覇に向けてどのような補強を行ったか。
野手では鈴木貴久が2年連続20HRを記録し、この年は30HRを期待させる予感があったが、村上隆行・金村義明はケガに泣きまだまだ成長途上。
前年獲得したリベラと再契約せず、あらたな4番候補を模索した結果、ジム・トレーバーを獲得。
リベラにかわって4番にトレーバーを固定できれば昨年同様、金村・村上を加えた重量打線を構成できる。
期待のトレーバーは開幕戦から4番にすわり、ほぼ期待通りの活躍をした。
(ただし、4月28日と8月26日の2回、審判の判定に激怒して退場を宣告されている)

◎ジム・トレーバー 123試合 打率303 24HR 打点92

トレーバーの活躍の反面、昨年「神」だったブライアントは3打席連続本塁打(5月11日)東京ドーム天井スピーカー直撃HR(6月5日)などHRにまつわる話題もあったが、記録的なペースで三振を量産。
シーズン終了時には世界記録となる191三振を記録した(当時・メジャーのバリーボンズの187三振を抜いた)。
HRか三振か。来年もこの状態が続くのであれば、3番固定は難しいだろう(試合数をみてもわかるようにスタメン落ちも多かった)。

◎ラルフ・ブライアント 108試合 打率245 29HR 打点73

※余談だが、90年オフの10月29日ダイエー阪神の間で大量トレードが行われた。

ダイエー側放出)藤本修二、西川佳明、吉田博之、右田雅彦、近田豊年
阪神側放出)池田親興岩切英司渡真利克則大野久

ダイエー側は先発ローテ投手2枚、正捕手、将来性ある左右投げ投手等、近年まれに見る大売出しとなった。
しかし後年を振り返ってみると池田はダイエーのストッパーになり、大野は盗塁王を獲得。
ダイエーのほうがやはり商売上手であった。

●1991年(平成3年)

3位に終わった昨年、今年こそ優勝をと意気込んでおこなった補強はまたも打者中心であった。
ジム・トレーバーは今年も期待できるものの、ブライアントの不安定さには保険が必要と考えた球団は新年早々(1月7日)アスレチックス傘下2Aハンツビルのオジーカンセコホセ・カンセコの双子の兄)の獲得を発表。

開幕戦。大石を欠いてはいるが(ケガ?4月10日復帰)2番新井3番ブライアント4番石井5番トレーバー6番金村7番鈴木という重量打線。
開幕3連敗でいきなりつまづいたものの、5月末には2位をキープ。
しかし6月下旬から外国人に関するニュースが続く。

6月23日、カンセコアメリカに帰国していること球団が発表(1軍試合出場なし)。
7月4日、6月30日の走塁で負傷したブライアントは精密検査を受けるために帰国(ブライアントは7月2日まで試合出場。6月27日までに22HRをはなち今期は好調であった)。
7月9日 カンセコの退団と、メキシカンリーグ所属のジェシー・リードの獲得を発表。

7月19日からリードはおもに3番で起用される。
ブライアント(とカンセコ)を失った近鉄だが、リード・石井・トレーバーの中軸で奮戦を続ける。
この3番に座ったジェシー・リード、シュアーな打撃を売り物にしたアベレージヒッターというイメージがあるが、成績を見ても特記すべき点が見えてこない。

ジェシー・リード 51試合 打数182 安打50 打率275 HR10 打点34

フルシーズン130試合なので、約4割の試合数でこの成績であることを考えると、HRは25本程度は期待できるという判断なのだろうか。
ジェシー・リードは年末の契約更改をのりきっている。

◎ラルフ・ブライアント 63試合 打率238 HR22 打点43 三振100
◎ジム・トレーバー  124試合 打率272 HR29 打点92 打点王

ブライアントは左ヒザの手術を終え来年も近鉄でプレーすることになったが、トレーバーは球団との交渉が決裂し、12月18日に任意引退扱いとなった。